オリジナリティーを創る 〜吉川よしひろコンサート〜

本日の2,3校時は,チェリスト吉川よしひろさんによるコンサートでした。
4人兄弟の3男として生まれ,母親一人の手で育てられた吉川さんは,経済的な理由から大好きなピアノを習うこともできず,一人放課後の音楽室で耳で覚えた曲を奏でる小学校時代を過ごされたそうです。
音楽大学に入学されてからも,片方の耳が不自由なため,他の仲間と音を合わせることができず大変苦労されました。
吉川さんは,そんなハンディを乗り越え,オリジナリティとアレンジにより独特の音楽の世界観を作り上げられ,現在は世界で活躍されています。
立って演奏する独特のスタイルで,よくチェロだけでこれほど多彩な表現ができるものだと驚きました。
最後のアンコールでは,初見であるはずの本校の校歌を,とても素敵な曲にアレンジしてくださいました。本校があと3年あまりで閉校することを聞かれ,心を込めて演奏してくださったものです。
吉川さんがトークの中で話された「音楽はその場で生まれ,その場で消えていく芸術」という言葉は特に印象に残る言葉でした。過ぎ去りゆく一瞬一瞬をどう過ごし,その時その時の人との出会いとどう関わりを持って生きるのか。音楽とは人生の縮図のようなものであると感じる演奏会でした。