人権週間に寄せて

 12月4日から人権デーの10日まで人権週間が設定されています。学校だけでなく,ぜひ家庭や地域でも子どもたちの言動をもう一度見つめ直して,人権について考えてみる機会にしてみてはどうでしょうか?
 皆さんもよくご存じのように,人権とは,「人間が誰でも生まれながらにして持っている人間らしく生きる権利」のことで「基本的人権」ともいいます。しかし,残念ながら,現実には多くの人たちが人権を侵害され,人間らしく生きる権利を奪われ,差別されている事案が多く報告されています。人権を尊重することは,これからの人類の繁栄と幸福にとって欠くことのできないとても大切なことなのです。
 学校で一番起こりうる人権侵害は「いじめ」です。いじめは,とりもなおさず友達の人間として生きる「権利」を侵害していることになります。「いじめられる人にも,いじめられる原因がある」といじめを正当化する場面がよく見られますが,これは間違いです。このような考え方をする限り,決していじめはなくなりません。どんな理由があろうともいじめてはいけないのです。いじめは生きる権利を侵害する行為そのものだからです。いじめがどんなに人を苦しめるものであるかを,私たちは自覚しなければならないと思います。いじめがなかなか無くならない原因の一つに,友達がいじめられて嫌な思いをしているのに見て見ぬふりをして無関心を装っている人たちの存在があります。差別する側,人権を侵害する側にいる人は,差別される側,人権を侵害される側にいる人に比べて,力の強い立場にあります。強い力にはなかなか勝てません。しかし,弱い力も一緒にまとまると強い力になります。人権を侵害し,差別する力をはねのけることができます。鶴田中学校の生徒には,人権はみんなで守っていかなければならないという強い意志を持ってほしいと願っています。
 人権が十分に尊重される学校にしていくためには,「お互いが,お互いの違いを認め合い,尊重し合うこと」が基本となります。もし気になることがあれば,この時期に配布されるSOSミニレターの活用や先生・保護者に相談して欲しいと思います。この週間には学校でも学級で人権について考える時間を設定しています。つらい思いや嫌な思いをしている人のいない明るい学級を,学校を,作るのは自分たち一人一人であることを忘れないで欲しいと願っています。