「若鶴のさと」(学校便り2月,第12号)より その1

卒業に向けて


 早いもので,平成22年度も残すところ1ヶ月となりました。3年生の巣立つ日ももう目前です。3年生の胸中に去来するものは何でしょうか。卒業への喜び,新しい進路への希望や不安,卒業への期待等々,様々な思いが交錯しているのではないかと思います。
 フランスの作家・思想家ロマン・ローランは“人生は往復切符を発行しない。一度出発したら,二度とは帰ってこない。”と言っています。人間生まれたときからそれぞれ人生という列車に乗ってレールをひた走っています。どのレールを選択するかは自由でしょうが,ともかく,全員帰りの切符は持っていない。人生はやはり片道切符です。
 今,校庭にパンジーやクリサンセマムの花が咲いています。自然は四季おりおりに美しい花を咲かせて私たちの目を楽しませ,心をなごませてくれます。その花々も去年と同じ花ではありません。
 人生もやはり変化の日々を送っているのです。今日した仕事や勉強,いろいろな人との出会いや交遊,それも,その日その時限りのもの,同じように見えても何かが少しずつ変化していく。それが人生だと思います。だから,今日一日を,この一瞬を大事にして欲しいと願っています。

*************************************************

 何でも,明日から明日からと,明日にばかり期待する人間は開発されない。今,この瞬間こそ出発点。今,この瞬間にヤレ。やるなら今だ。」
  京都,大徳寺  住職,尾関宗園